ちょっと前になりますが、CNET の記事によると、レッドハット社は新サービス「Red Hat Exchange」を発表、また同社 Linux ディストリビューションの新版「Red Hat Enterprise Linux 5」をリリースしたとのこと。
なんだか面白そうなので、同社やオープンソース、OS の今後の展開についてちょっと言及したい。
仕事で使えるRed Hat Enterprise Linux 徹底入門
- 作者: 古賀政純,入谷光浩,可知豊,上鍵忠志
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 大型本
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まず、Red Hat Exchange は、Red Hat 社のブランドの元、3rd party のオープンソースプロダクトを宣伝・拡販していくような仕組みに見えますね。この仕組みを利用する会社にとっては、ま、Red Hat のブランド力で宣伝や販売が行えるし、一方 Red Hat 社は自社でそろえていないソフトウェアラインナップを持てるような感じなので、Win-Win の関係ですね。ちょっと興味深い。オープンソースのサポート体制に不安があるような企業ユーザーもちょっと安心できそうな気がしますね。加えて、既存の SIer にとっては、オープンソースで収益をだす難しさを抱えている(ソフトウェア自体は無料で、サポートが大変)ところもあるので、この仕組みがそういった SIer に対する利益にもつながると幸せですね。
まさに Red Hat 社は、Linux を基点として OS ベンダから、他社の利益も考えた総合オープンソースプラットフォームベンダーとしてさらに進んでいく意気込みを感じますね。
次に、Red Hat Enterprise Linux 5(以下 RHEL 5)ですが、まさに仮想化技術(仮想マシンモニタ Xen)が標準で組み込まれたことが最大のポイントですねー。仮想化技術は、データセンターを中心に、マシンや OS のインストレーション・管理コスト削減の切り札として期待されますね。とはいえ、現状、データセンタレベルで適用できる仮想マシンモニタ VMWare は、それ自体が高額なので、コスト削減の効果をだすためにはそれなりに大規模な環境が必要ですね。RHEL 5 は OS に組み込まれていて仮想マシンモニタのための費用がかからない(?)ので、ちょっとした規模のシステムでもコスト削減が期待できそう。
それこそ、ひとつのマシンに、実運用システム環境と、開発環境を共存させて管理コストを下げよう!とか。ただ、個人的には、コスト削減には全く興味はないんです。でも、仮想化技術ベースのインフラ構築技術それ自体にはとっても興味ありますねー。マイクロソフトも Windows Server 2008 に仮想化技術を導入しようと熱心にがんばっていており、次世代インフラは仮想化がポイントになりそうなので、ここらへんのインフラ構築技術を覚えておくと技術者として当分飯をくっていけそうだ。ぐふふぅ。